
こんにちは。新作が公開されるたびに日本の映画史を塗り替えていく鬼滅の刃ですが、その圧倒的な数字の裏で「ずるい」といった批判的な声も少なからず聞こえてきます。
特典商法やスクリーン独占といった言葉が飛び交い、本当に作品の力だけでここまでの興行収入を叩き出したのか、疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
私自身、映画館のサイトを見てその上映回数に驚愕した一人として、このモヤモヤする気持ちは痛いほどよく分かります。
この記事では、なぜそこまで言われてしまうのか、実際のデータや過去の作品と比較しながら、その実態に迫っていきます!
鬼滅の刃の興行収入がずるいと言われる理由
日本映画界の記録を次々と更新する『鬼滅の刃』ですが、その輝かしい成果の影には常に「やりすぎではないか」という議論がつきまとっています。
ここでは、特に検索需要の高い「特典」や「上映回数」、そして過去の名作との比較といった観点から、なぜこれほどまでに「ずるい」と言われてしまうのか、その背景にある具体的な要因を深掘りしていきます。
特典商法がひどいという批判の実態
まず、最も多くの批判を集めているのが、いわゆる「特典商法」と呼ばれる入場者プレゼントの展開です。「映画の中身ではなく、おまけで客を釣っている」という厳しい意見ですね。
これに関しては、正直なところ「ずるい」と言われても仕方ない側面もデータとして出ています。2020年の『無限列車編』でも凄まじかったですが、2025年から始まった『無限城編』では、その規模がさらに桁違いになっていました。
| 作品名 | 主な特典 | 配布規模 | ここが「ずるい」とされる点 |
|---|---|---|---|
| 無限列車編 | イラストカード等 | 150万名 | 隔週で特典が変わりリピーターを誘発 |
| 無限城編 | ランダムカード等 | 500万名 | 全6種ランダムなど「ガチャ要素」で複数回鑑賞を強制 |
特に『無限城編』での「全6種ランダム配布」や、500万名規模という圧倒的な物量は、ファンの「コンプリートしたい」という心理を巧みに突いた戦略と言えます。純粋に映画を楽しみたい層からすれば、これが「興行収入の水増し」に見えてしまうのは無理もありません。
他作品(ONE PIECE FILM REDやTHE FIRST SLAM DUNKなど)も特典商法を行っていますが、鬼滅の場合はその「配布数」と「期間の長さ」が群を抜いています。
上映回数がおかしい?スクリーン独占
次に挙がるのが「スクリーン独占」、またの名を「シネコンジャック」です。他の映画を見たいのに、上映スケジュールのほとんどが『鬼滅』で埋め尽くされている状況に対する不満ですね。
これ、決して大げさな話ではないんです。データを見ると、その異常さがよく分かります。
- TOHOシネマズ新宿:公開初日に1日40回以上の上映
- SNSでの反応:「バスの時刻表より多い」「時刻表」と揶揄される
1つの映画館で1日に40回も同じ映画を流すなんて、従来の常識では考えられませんでした。「これでは他の映画を見る選択肢が奪われている」と感じる映画ファンが出るのも当然です。ただ、劇場側としても「流せば満席になるドル箱」を優先するのは、ビジネスとしてやむを得ない判断だったとも言えます。
千と千尋の神隠しとの比較と違い
興行収入の話になると、必ず比較対象に挙がるのがジブリの『千と千尋の神隠し』です。「千と千尋は特典なしで300億行ったのに、鬼滅は特典のおかげだ」という論調ですね。
確かに『千と千尋』の時代(2001年)は、現在のような豪華な入場者特典を大量に配る文化はありませんでしたし、シネコンのスクリーン数も今ほど多くありませんでした。純粋に「作品の力」と「ロングラン」で数字を積み上げたジブリ作品と比較すると、短期集中型で特典ブーストをかけた鬼滅の数字に対して、違和感を覚える人がいるのも理解できます。
しかし、時代背景が異なるため単純比較は難しいのも事実です。現代のエンタメ消費のスピード感に合わせた戦略が、たまたま『鬼滅』の手法だったとも解釈できます。
コロナの特需は本当にあったのか
「ずるい」と言われるもう一つの要因に、「コロナ禍でライバルがいなかったから」という環境要因があります。
実際、2020年の『無限列車編』公開時は、ハリウッド大作が軒並み延期となり、映画館には強力な競合作品(ライバル)が不在でした。この「空白地帯」が、前述したスクリーン独占を物理的に可能にしたことは否定できません。
ただし、コロナ禍の閉塞感の中で、「家族愛」や「理不尽に立ち向かう」というテーマが人々の心に深く刺さったという側面もあります。単なる「運」だけでなく、時代の空気にマッチした結果とも言えるでしょう。
鬼滅の刃の興行収入はずるいのか徹底検証
ここまで「ずるい」と言われる理由を見てきましたが、では本当に『鬼滅の刃』の成功は、特典や独占だけの「虚構」なのでしょうか?
ここからは視点を変えて、世界市場での反応や作品自体のクオリティから、その実力を検証してみたいと思います。
海外の反応でも人気は本物か
日本国内特有の事情(特典やスクリーン独占)が通用しない海外市場でのデータを見ると、面白いことが分かります。
実は、『無限城編』は北米のオープニング興収で外国映画の歴代記録を25年ぶりに更新しています。さらに、全世界興行収入でも日本映画初の1000億円を突破しました。
海外では日本ほど熱心な「特典集め」の文化はありませんし、全てのスクリーンを独占できるわけでもありません。それでもこれだけの数字が出るということは、「コンテンツそのもの」に世界を熱狂させるパワーがあるという強力な証明になります。「ずるい」要素がない場所でも、鬼滅は勝っているのです。
深夜アニメの常識を変えた技術力
また、批判派の中には「ストーリーは普通」という意見もありますが、それを補って余りあるのが制作会社ufotable(ユーフォーテーブル)による圧倒的な映像美です。
私も映画館で見ましたが、あの「呼吸」のエフェクトや、3Dと手描きが融合したアクションシーンは、もはや「動く美術館」レベル。ただのアニメ映画ではなく、「映像体験」としてお金を払う価値があると多くの人が判断した結果でしょう。
撮影処理やCG技術を駆使した画面作りは、海外の批評家からも「アニメーションの頂点」と高く評価されています。
鬼滅の刃の興行収入はずるいとは言えない
結論として、「鬼滅の刃の興行収入はずるい」という批判は、半分当たりで半分外れと言えるのではないでしょうか。
確かに、特典の量やスクリーンの占有率は、従来の映画ファンの常識を逸脱しており、不公平感(=ずるい)を感じさせるものでした。しかし、それらはあくまで「着火剤」に過ぎず、実際に世界中で何千億という数字を生み出したのは、多くの人を惹きつける作品のポテンシャルと技術力です。
「ずるい」と思わせるほど徹底したマーケティングと、それに見合うクオリティを提供し続けた結果が、この記録的な数字に表れている。私はそう考えています。エンタメ業界の「ゲームチェンジャー」として、今後もどんな記録を作るのか(そしてどんな特典が出るのか…笑)、注目していきたいですね。
※本記事の興行収入データ等は執筆時点(2026年1月)のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。